
冬になると旬の海藻を学びたい気持ちがむくむくと沸き、海辺に行ったり、植物学者の方々の書物を読みふけったり、学べば学ぶほどおもしろいなーと思う。
今日見た書物は海藻灰について。

アラメ・カジメ・ホンダワラなどの褐藻を干し、蒸し焼きにして作った灰。
人間が必要とするビタミン、ミネラルが豊富な希望の素材であり、宇宙からの贈り物であるとされていた。
海藻に含まれるヨウ素(放射性ヨウ素とは異なる人間に必要なミネラル)は健康な体の維持に無くてはならない元素であるとともに、また、海藻ポリフェノールは骨粗鬆の予防になったり、現代病のひとつであるアレルギーの抑制になったり、いろいろな研究も進んでいる。
日常的にヨウ素を摂取していると、原子力発電所事故等で放射性ヨウ素が放出された場合、甲状腺への蓄積が低く抑えられるそう。
一方で、海藻灰はヨードなどの原料となり、戦時中は火薬の元となり、軍需資源として利用されていたそう。
生命の源である海の産物がまさか軍事資源となっていたなんて。
ロシアの爆撃でカホフカ・ダムが決壊し、汚染された淡水が海になだれ込んだ。
しかし数カ月後、汚染物質を餌にする海藻が藻場で育ち始めたという。
海洋生物研究所のガリーナ・ミニチェバはこれを「生態系を出発点に戻す自然の摂理」とたたえた。
日本のとある研究者さんの論文によると福島の放射性物質流出事故直後から8年間にわたる海藻類の調査を通して、汚染から海が復活する過程を垣間見ることができたという。浄化させたのは海藻そのもの。
誕生と浄化∞を繰り返す生命の源である海の産物である海藻に、ますますはまりそうです。
人の知恵とは、知識とは、自然の営みと人がうまく共生するために日々使われるとしたら、最高なのになぁ〜!
巷のいろんなニュースをみると、なんだかもどかしい。
