先日、美味しいお塩を頂きました。そのお塩は2年以上天日で乾燥させて、非加熱で作るのだそうです。とても粒子が細かく、舌にのせると滑らかに溶け、一瞬でなくなります。その味は嫌なしょっぱさは全くしなく、最初の一口目はむしろ甘く感じ、何回かなめていると、優しいしょっぱさがじっくりと舌を通じて伝わってきます。後で、他のお塩をなめてみたら、先ほどの物と比べ舌を刺激するようなしょっぱさにびっくりしました。
お塩にも様々な作り方があるようです。作り方一つ違うだけで、全く違うものになります。
私がマクロビオティックを学んでいる時、2時間かけてきんぴらを作りました。鉄火味噌は4時間かけて作りました。きんぴらの味付けは醤油のみ。きんぴらは普段食べているものとは全く別物でした。鉄火味噌は大好きな食べ物の一つです。カフェやお宅で出されるとテンションが上がります。作るのが大変だからということが身に染みて分かっているから、美味しさもひとしおです。ご一緒に学んでいる方々が作った物を試食しましたが、同じレシピで作っているはずなのに全く味が違いました。作る人、火加減、時間、切り方でゆっくり変化していく味は、無限に変化し続け、それぞれに個性豊かで奥深い味わいになって行く気がします。
時間は見えないスパイスですね。
自然に任せるとゆっくり進みます。できるまでは遅いかもしれないですが、その分、貴重でとても奥深いものになっています。
効率的、早いものがいい、手間がない方がいい、便利なもの、清潔なものが良いとされている現代。でも早くできたもの、効果がすぐ出るものは直接的に私たちの身体に作用するような気がします。また、早く便利、綺麗にするために様々な工夫(食品添加物や化学薬品などの使用)がされています。そういうものを敏感に感じ取って、自分の身体に優しく、周りの環境に優しくしていくと自ずといい方向になっていく気がします。
健康は自然の流れのようにすぐには手に入りません。日ごろの習慣、すべての感覚のサインに敏感になり、その真理を考え、自分の事を知りながら、いつの間にか心身共に健康に、人生を楽しく生きれればと思っています。
お塩を頂いて自分の中で繋がった瞬間でした。
工藤 トモヨ